1: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 00:22:44.72 ID:faJ6GDQO0.net
 2005年シーズンから新規参入を果たした楽天も球団創設から昨季で早10年が経過した。13年シーズンには星野前監督のもとで日本一を達成。
翌14年シーズンは一転、最下位に低迷したものの、本拠地・コボスタ宮城に来場するファンの数は増え続け、同10月7日のオリックス戦では球団史上最多の2万6108人を動員した。年間でも145万233人と最多を更新。
初年度の05年からは約50万人増、日本一となった13年シーズンと比べても約17万人増と着実に来場者数を伸ばしている。

 その楽天が今、最も力を注いでいるプロジェクトがある。東北全域に対する地域密着活動だ。

「東北楽天ゴールデンイーグルス」というチーム名が示すように、もともと「東北」エリア全域を基盤とした球団経営を目指した楽天だが、創設当初は本拠地周辺の宮城・仙台をカバーするのが精いっぱいで宮城以外の5県に積極的にアプローチする余力がなかった。
それが12年、新たに就任した立花陽三社長が改めて東北全体に活動エリアを広げる方針を打ち出したことで、球団職員の意識も変わった。
東北6県の地域貢献活動やファン拡大施策を行う「地域密着推進部」も発足。部に昇格する以前は2名程度で行っていた活動を6名の専属スタッフで展開していくことになった。
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引用元: 創設から10年経過した楽天の新たな挑戦

2: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 00:23:10.23 ID:faJ6GDQO0.net
 また、12年12月には社内プロジェクト「東北ろっけん活動」を宣言。同活動の一環として、スカウトやチームスタッフを含めた全職員のチーム分けを実施。
縦割りの組織の中で、部署や役職関係なく「チーム青森」「チーム秋田」「チーム岩手」「チーム山形」「チーム宮城」「チーム福島」の6グループに振り分けた。

 地域密着推進部の江副翠部長は言う。

「会社として東北に出ていこうといっても選手や職員の意識がまず変わらないといけないというのが最初の問題意識としてあって、
じゃあ職員全員が部署やそれぞれの仕事関係なく東北に対する意識を持つにはどうしたらいいんだろうと考えました。それで出てきたのが、部署横断型の『チームろっけん』というプロジェクトです。

 このチーム制ができるまでは、地域やスタジアムの清掃活動、試合のポスター貼りなど、職員総出の仕事は部署ごとに行っていましたが、
これを『チーム青森』から『チーム福島』までチーム単位で割り振ることで、チームへの帰属意識や仲間意識が高まっていき、相乗効果が生まれました」

3: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 00:23:26.24 ID:faJ6GDQO0.net
チームごとの結束力が高まり、他県のチームには負けられないという意識も芽生えた。これにより、各々が担当する県に対する活動も積極性を増していった。
球団が初の日本一に輝いた13年シーズン終了後に慰労をかねて職員全員で合宿を実施した際も、「日本一愛される球団とはどんな球団なんだろう」と熱く語り合ったという。

 そうやって職員の意識を変えていくとともに、選手の意識改革にも着手していった。

「選手に対しても常に『東北、東北、東北』と事あるごとに言い続けて、たとえばヒーローインタビューでは『仙台のみなさん、宮城のみなさん』と呼びかけないで、
『東北のみなさん』と呼びかけるように促しました。我々は東北のチームなんだと言い続けるようになったのも2012年の12月以降ですね。

4: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 00:23:43.12 ID:faJ6GDQO0.net
 そうすると選手も東北を意識し出して、ちょうど優勝もあって東北のファンの方に応援していただいているというのを選手も肌で感じたんです。
それがうまくマッチして、優勝した時には選手の方から『東北のファンの方にお礼がしたいので東北に行くファンのイベントを作ってください』と要望が出てきました。
我々も考えていたので上手い具合にマッチしましたね。まず自分たちの意識改革をするのが大切なんだなと改めて感じました」

 江副部長はそう振り返る。

5: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 00:24:02.62 ID:faJ6GDQO0.net
球団職員、選手、スタッフの意識が東北へと向き始めたタイミングで初の日本一に輝き、楽天のファン層は一気に宮城以外の5県にも広がっていった。
その証拠に、12年までは東北各県のファン意識調査で巨人や阪神などが上位に来るケースが多かったが、13年の調査では東北全県で楽天がトップとなり、成績が低迷した昨季もその地位をキープしている。


「アンケート結果を見ると優勝したというのが大きな要素としてあるとは思いますが、各地の方々と話していると優勝したタイミングと我々がろっけん活動で東北を意識したタイミングと、
各地での活動に力を入れたタイミングとすべてがうまくマッチしているのかなと感じます。本当にたまたまなんですが……。2012年の12月に『東北ろっけん活動』を宣言した時に秋田や青森の自治体の方にあいさつにいくと、
『宮城のチームでしょ』とみなさん、おっしゃっていたのが、今はどこに行っても『東北のチームだよね』とおっしゃっていただけるようになりました。みなさまの意識の中に東北のチームというのが浸透し始めているのを感じています」

 江副部長はそう手応えを口にする。

6: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 00:24:28.74 ID:faJ6GDQO0.net
だが、東北全域に楽天を売り込む活動はそう簡単なことではない。例えば、13年以降、地元の人々とのコミュニケーションを図るべく、球団職員が東北6県の夏祭りに参加するようになったが、移動の行程だけでも過酷。
14年は岩手県の盛岡さんさ踊り、宮城県の気仙沼みなとまつり、仙台すずめ踊り、秋田県の竿燈まつり、福島県のわらじまつり、山形県の花笠まつり、青森県のねぶた祭と参加。

山形花笠まつりでは、立花社長をはじめエンジェルス、チアリーディングスクール山形校の生徒、クラッチ、職員ら約60人がオリジナルの花笠音頭を踊ったため、事前にかなりの練習を積んだという。

7: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 00:24:41.95 ID:faJ6GDQO0.net
今年掲げている2つの目標

 球団が講師を派遣して子どもたちを指導する「野球塾」などは13年に112校で実施。そのほか、震災の復興支援やスポーツを通じて子どもたちを笑顔にする「TOHOKU SMILE PROJECT」など挙げればキリがないほど数多くの活動を展開している。
またチームも、13年のドラフトからは同等の条件であれば、地元出身選手の獲得を目指すという方針を打ち出すなど、球団が一体となって地域密着を推し進めている。

 それでも東北の地は広大で「まだまだ回れていない場所もたくさんあります」と江副部長。少しでも各地にパイプを作ろうと、今年に入り地域密着推進部の職員で手分けをして、
東北の228の自治体にあいさつ回りを行っている。「1月、2月にかけてやっています。今はまだ40%から50%くらいでしょうか。今だと雪深いところもあったりするので」と江副部長は言う。

8: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 00:24:57.72 ID:faJ6GDQO0.net
 このように東北を強く意識した活動を進めている楽天にとって今季は大きな目標が2つある。1つはさらなるファンの獲得、もう1つは各地で行う試合を満員にすることだ。
  
 前者は今年から「ろっけんイーグルス」というファンクラブを新設。これもチーム制同様、「青森イーグルス」から「福島イーグルス」まで各県ごとにファンクラブが設けられており、500円の入会金は共通だが、
ファンクラブごとにオリジナルの特典を用意して地元色を強めている。
たとえば、「青森イーグルス」ならば、入会すると東北最大級の「ねぶた祭」にイーグルスの浴衣を着てハネトとして参加できるなど、特典はいずれもユニーク。今季はファンクラブごとに1万人ずつの入会を目指している。

9: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 00:25:11.19 ID:faJ6GDQO0.net
後者に関しては、昨季すでに福島・郡山、山形、盛岡の一軍戦は完売となったが、秋田だけが実現しなかった。楽天は現在、一軍公式戦の開催が可能な球場のない青森県を除く5県で一軍戦を実施。
二軍公式戦を含めれば、全6県で開催しており、14年は秋田、盛岡、郡山、山形の一軍戦を自主興行で行った。「本拠地の仙台以外でやる各地の興行、青森から福島までの興行の動員を満員にすることが大きな目標の一つです」と江副部長。
もちろんこれは地域密着推進部だけではなく、球団全体で取り組む課題であり、目標を実現すべく日々、活発に議論を交わしている。

10: 風吹けば名無し@\(^o^)/ 2015/01/26(月) 00:25:19.92 ID:faJ6GDQO0.net
「プロ野球球団でチーム名に地域が入っていても、すべては都道府県にとどまっていますし、『東北』というエリア全体を冠しているのは楽天イーグルスだけ。
東北930万人全員をファンにするというのは、合言葉として我々はいつも言っています」

 江副部長はそう熱く語る。

 昨年の春、東北の小学校に入学する新1年生全員に楽天のキャップを配った。7万人弱の子供たちすべてに届けたのは球界初の試みで、少なくとも今後5年は続ける計画だ。
実はこれも優勝後の職員合宿で出てきたアイデアだった。そして今年からは球団内のチーム制を、選手たちにも拡大する計画なのだという。
どの選手も、「チーム青森」から「チーム福島」の6チームのいずれかに所属するのだ。それにより、さらに東北への意識は高まるだろう。勝てる球団だけでなく、愛される球団へ。930万人のファン獲得に向け、楽天の挑戦は続く。

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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