【山村宏樹 一発解投】藤平は則本、岸を手本にフォーム安定を

 最下位に沈む楽天だが、4月19日のソフトバンク戦で、先発の藤平が7回2安打無失点で今季初勝利を挙げた。この日は相手打線の調子がいまイチに見えたが、ソフトバンク相手に3タテを阻止したのは大きかった。

 藤平の特徴は、球の出所が見にくい、独特の投球フォームにある。相手打者はタイミングが取りづらく、差し込まれる傾向にある。昨季より球威はあるし、変化球もカウントを整えるレベルの制球力は持っている。

 もちろん、課題もある。藤平は中学時代に走り高跳びで優勝経験があるそうだが、その強靱(きょうじん)な下半身のバネを生かし、パワーにして球に伝えられるような投げ方が完成していない。具体的には、彼は上げた左足をじっくり下ろし、独特のタイミングで体をひねっていくが、そのリズムやタイミング、力の入れ方や抜き方が安定しないときがある。それが時には制球難となるし、球に力がフルに伝わらない一因となる。則本や岸の、力のベクトルがスムーズに前へ向かっていく投げ方と比較すれば一目瞭然だ。当面は、今の投球フォームで投げ込みをやり、リズムやタイミングを体に覚え込ませるべきだろう。両エースを手本に練習を積めば、スピードも球威もさらにアップするはずだ。

 一方、楽天3本柱の一角・美馬が4試合投げて0勝3敗。シュートは指に引っかかり、スライダーは抜けるなど、逆球が多い。腕の振りも小さくなっている。彼は滑り出しが良いと好調を持続できるが、最初につまずくと引きずるタイプ。美馬は24日、出場選手登録を抹消された。リフレッシュして、いい再調整の期間となることを期待したい。(元楽天投手、スポーツコメンテーター)=随時掲載=

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