<楽天4-3ソフトバンク>◇17日◇楽天生命パーク

 楽天が今季初のサヨナラ勝ちだ。9回1死一、二塁。選手会長の岡島豪郎外野手(28)が勝負を決めた。チーム全員の気持ちを乗せた打球が、前進守備の中堅手を越えていった。「みんなでつないだチャンス。絶対ここで打ってやろうと強い気持ちで打席に立ちました」。打率ほぼ2割と低迷する岡島が、カウント2-1から森の144キロカットボールを捕らえた。

【写真】中越えサヨナラ二塁打を放つ岡島

 文字通り総力戦だった。先発岸は初回に連続無失点記録が20回で途切れたが、粘って6回3失点(自責2)。今季弱点となってきた救援陣も高梨-青山-松井-ハーマンと無失点でつないだ。打線では22歳内田が今季2号を放てば、キャプテン嶋は8回同点打。前日16日に腹部の張りで途中交代し、梨田監督が「今日は使わない」と話していた藤田まで代打で出た。全員がギリギリで踏ん張った。

 それもこれもファンのためだ。職業体験プログラムに参加した小中学生約1200人を含め、2万2000人以上が平日のデーゲームに詰め掛けた。梨田監督も「3連敗を免れたのもうれしいですけど、本拠地サヨナラ勝ちで、最後まで見てもらったお客さんに恩返しできた。帰り道に楽しんでいただける試合ができて良かった」と喜んだ。

 借金13と、まだまだ上は見えない。殊勲の岡島も「(自分の調子が悪いと)本当に最悪ですよ。本当に迷惑をかけている、本当に申し訳ないという気持ちで」という。だが誰ひとりとして白旗を上げる選手はいない。「そこで下を向いたらダメなんで。とにかく前を向いて、明るく元気にやることだけを考えてやってきた。これからもそれは一緒。どんな状況でも常に前を向いて1試合、1試合、戦っていきたい」。選手会長が全員の気持ちを代弁した。【千葉修宏】

 ▼楽天が今季初のサヨナラ勝ち。岡島のサヨナラ打(犠飛、四死球、ゴロを含む)は16年5月3日ロッテ戦以来5度目となった。楽天で通算5度のサヨナラ打は松井稼(現西武)、嶋に並ぶ球団最多。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180518-00211842-nksports-base