楽天にとって交流戦は、重要な期間となる。交流戦期間の勝ち星はその後のペナントレースを大きく左右するだけに、勝ち越すことはもちろん、ひとつでも多くの貯金を稼いでおきたいところだ。だが、初戦のDeNA戦(横浜)を終えたところですでに大きく後れを取ってしまった。

 5月29日の試合でパ・リーグの負けは楽天のみと、最も避けたかった状況を招いてしまう。さらに試合も8回表に1点差に迫りながらその裏、6失点と勢いを断ち切ってしまったのだ。何としてもこの状況を打破していきたいところ。そのためには攻撃陣の奮起が必要不可欠だろう。

 なぜなら投手はセ・リーグ本拠地では慣れないバッティングをしなければならない。DH制がないことは投手にとって有利と言えそうだが、エース・則本昂大はそこを警戒する。「できれば立ちたくない」と苦笑するほど、打席に立つときの恐怖は大きく、その中で送りバントなど、「成功させて当然」と思われがちな仕事もこなさなくてはならない。

 さらに、「相手がピッチャーだと、打ち取って当然、という雰囲気がありますから。それはちょっとイヤですよね」と続けた。投手を打席に迎えても、気が抜くことができないのだ。

 それだけに、得点をできるだけ多く取ってその負担を減らすことが重要となる。実際に昨年の交流戦で楽天は81得点(71失点)をマーク。1試合平均4.5得点と打ち勝つ試合が多かった。今年も失点をカバーできるだけの得点を稼がなければ厳しい戦いとなる。

 そこで期待がかかるのはペゲーロだ。昨季の交流戦では4本塁打、12打点と少し物足りないが、今季は4月終了時点で5本だった本塁打が5月の交流戦前までで7本を積み重ねるなど、調子を上げている。

 首位をひた走った昨季と打って変わって苦しみ続ける楽天だが、6勝19敗1分けと大きく負け越した3、4月に比べ、5月は交流戦前までに11勝10敗と盛り返してきた。その裏にペゲーロの復調も大きく関係しているだろう。勝負の夏に向け、この18試合で一気に上位との距離を縮めていきたいところだ。