show_img

 そのバットには、今でも大きな魅力を秘めている。職人・枡田慎太郎は、勝負どころでの打撃を期待され一軍に昇格してきた。今季は開幕一軍を外れると二軍でも状態が上がらず、ファーム48試合に出場して打率.231、7本塁打、20打点。ようやく一軍から声がかかったのは6月17日、梨田監督が辞任した翌日だった。

 役回りは「代打の切り札」。らしい打撃を見せたのは7月1日の西武戦(メットライフ)だった。8回二死三塁で代打として登場すると、1点差に迫る右中間への1号2ラン。会心の放物線を描き「個人的には非常に大きい1本」とうなずいた。7月15日の時点で9試合に出場し10打席で8打数3安打、1本塁打、3打点、1死球、1犠飛と存在感を見せている。

 主に代打として起用された、過去2年の経験が生きている。「去年とか一昨年も経験して、大変だなという気持ちはない。与えられたポジションだと思って、1打席、どんな状況でも、自分のスイングをできるようにしているだけです」。ただ、スタメンで毎試合出ているときと違い、調子は分からなくなるという。「代打のときは、調子のいい悪いは考えないようにしています」と秘けつを明かした。

 チームは最下位と低迷。それでも、平石監督代行の指揮の下、徐々に状態は上がってきている。今季1号を放ったのは、ちょうど折り返しを過ぎたチーム73試合目。自身にとってもふがいない結果となった前半戦の分まで、後半戦で渋い輝きを見せる。