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楽天のユニホームに袖を通し、笑顔を見せる鈴木(右)(左は宮越スカウト)
 楽天のドラフト8位・
鈴木翔天(そら)投手(22)=富士大=が16日、岩手・盛岡市内のホテルで契約金2500万円、年俸700万円で契約に合意。同じ北東北大学リーグの左腕としてしのぎを削ってきた、巨人のドラフト1位・高橋優貴投手(21)=八戸学院大=に負けない活躍を誓った。開幕1軍を目標に掲げ、1年目から勝負する。

 穏やかな笑顔のままで、鈴木は少しだけ言葉を探した。北東北大学リーグで同じ左腕として競ってきた、巨人の1位・高橋に話題が及ぶと「4年間、切磋琢磨(せっさたくま)してきたので、励みになっている。負けたくないですね」。ドラフト1位に対して、自身は8位と大きく水をあけられたが、プロで重ねていく実績で負けるつもりはない。

 評価に影響を与えた左肘痛も、もう不安はない。3年秋のリーグ戦で完全試合を達成し名を上げたが、左肘痛で4年春は全休。秋も本調子と言えるところまでは、上がってこなかった。それでも、現在の状態については「肩も肘も万全です」とキッパリ。「まずは開幕1軍を目指して、ローテに入っていけたら」と1年目から高い目標を設定した。

 球団側も即戦力の評価だ。担当の宮越徹スカウト(40)は「元々、素晴らしい投手。自分の力を発揮してくれたら、1年目から勝負できる。スピードが出れば塩見のような、出ない日は辛島のような投球ができる。器用さを持っているし、タイプが決まってないのも伸びしろだと思う」。ローテを担う自軍の2人の左腕に例えながら、絶賛した。

 近年、山川、外崎、多和田と西武に活躍選手を送り出している富士大。同期の佐藤龍世内野手(21)も西武に7位で指名され「(佐藤とは)対戦してみたいし、絶対抑えます(笑い)。山川さん、外崎さんはジャパンにも入っているすごい選手。いつか対戦したい」と富士大―西武の黄金ライン撃破を狙う左腕。まずは1年目から、偉大な先輩たちと同じ1軍の舞台に立つ。(山口 泰史)

 ◆鈴木 翔天(すずき・そら)1996年8月19日、横浜市生まれ。22歳。南本宿小3年からソフトボールを始め、万騎が原中時代は瀬谷シニアでプレー。向上高では3年春夏の神奈川県大会で準優勝。富士大進学後は、3年秋のリーグ戦で完全試合を達成した。184センチ、77キロ。左投左打。家族は両親と兄、姉。