楽天勢が8月の東京オリンピック（五輪）をジャックする？　7日、侍ジャパンの稲葉篤紀監督が沖縄・久米島キャンプを訪れ。昨年のプレミア12で世界一に貢献した岸孝之投手、浅村栄斗内野手に加え、同大会を肘の違和感で辞退した松井裕樹投手、森原康平投手らと会話を交わし、メンバー入りに期待を寄せた。

楽天三木肇新監督も選手の大量選出は歓迎しており、チームの優勝とともに、24人の代表枠を懸けた戦いも始まる。

三木監督が楽天戦士の侍ジャパン入りを大歓迎した。ヤクルト、日本ハム時代にプレーした先輩の訪問を受け、「できることは全力で協力します」と即答。「沢山選んでもらって、日本が金メダルというか、しっかり戦えるチームの中にうちの選手がいてくれたらいいなと思います」。
大量選出によりレギュラーシーズンへの影響も懸念されるが、「そこはぼくらがどうこういうことじゃない。もちろん楽天の選手として頑張らなきゃダメだし、仕事ですからね」と選手のプロ意識に信頼を寄せた。

昨年のプレミア12のメンバー浅村、岸だけではなく、同大会を肘の違和感で辞退した松井、森原、エース則本昂、左のサイドハンド高梨らが候補に挙がる。打者でもロッテから新加入の鈴木、銀次、田中ら侍経験者が顔をそろえる。
稲葉監督は浅村について「去年はありがとうという言葉と、今年ね、また期待しているよと声をかけさせていただきました。逆方向に大きいのが打てて、外国人の動くボールに対してもしっかりアジャストできていましたし、非常に期待したい」と絶大な信頼を寄せた。岸に対しても「準決勝の韓国戦でもしっかり投げてくれましたし、オリンピックでも期待したい1人」と期待した。

昨年は右ひじの手術開けだった則本昂についても「『今年はもう体は大丈夫です』という心強い言葉をもらいましたし、経験もある」と順調な仕上がりを確認した。浅村は「（プレミア12では）日の丸の重みをすごい感じました。また日本代表に選ばれて、もう1度世界一になりたいなという気持ちになりました」と闘志を燃やす。
そして「今は楽天が優勝するためにチームのことを考えて、その中で代表に選ばれば最高です」とチームでのパフォーマンスが自ずと侍入りにつながると信じている。【野上伸悟】

▽楽天則本昂　体調は大丈夫か？　と聞いてもらえました。出られるなら出たい。ただ結果を残さないといけないので、結果を残せるように頑張りたい。

▽楽天高梨　しっかりと結果を出さないと話にも上がらないと思うので、チームで結果を出せるように頑張りたい。

▽楽天鈴木大　オリンピックはスポーツをやっていない人にとっても素晴らしい舞台。出られたらうれしいですけど、僕の立場ではまずはチームのために戦っていくことが重要。やっている限りは出たいと思います。

▽楽天森原　稲葉監督から「頑張ってね」と声をかけてもらいました。（昨年11月のプレミア12を右肘違和感で辞退し）せっかく選んでもらったのに、行けない申し訳ないという気持ちが強い。もし選んでもらったら恩返しという気持ちで投げたい。

楽天キャンプを視察する侍ジャパン稲葉監督（撮影・滝沢徹郎）